【参加報告】カナダ・バンクーバープライドに参加しました
こんにちは。東京レインボープライド 教育啓発事業の森です。
2026年8月2日、カナダ・バンクーバーで開催された「Vancouver Pride 2026」に参加しました。本記事では、現地のパレードの様子や特徴、そして東京や日本のプライドにとって参考になると感じた点についてご紹介します。
多様性の街・バンクーバーのプライドへ
今回、私自身が現在バンクーバーに在住していることもあり、現地のプライドに参加しました。
バンクーバーでは、一般的にPride Monthとされる6月ではなく、7月から8月にかけてVancouver Prideをはじめとするさまざまなプライド関連イベントが開催されます。バンクーバーで初めて開催されたLGBTQ+の権利保障に関する抗議イベントが1973年8月1日だったことから、その歴史を受け継ぎ、8月初旬にパレードが実施されるようになったそうです。
人種や宗教、文化的バックグラウンドなど、多様な人々が暮らす街・バンクーバーならではのプライドイベントを直接体験することは、TRPにとっても学びの機会になると考え、参加しました。
街の多様性を映し出すパレード
現地で特に印象的だったのは、パレードに参加している団体の幅広さでした。
パレードには約9,000人が参加し、沿道には例年約15万人の観客が集まる大規模なイベントです。政党や労働組合、企業、NPO、草の根で活動するコミュニティグループなど、多岐にわたる団体が参画していました。
パレードは、レズビアンのバイクグループ「Dykes on Bikes」が先頭を走り、その後に主催団体であるVancouver Pride Society、そしてバンクーバー地域の先住民族であるMusqueam Nationが続く形で進んでいきます。
この構成からは、先住民との和解(reconciliation)を重んじるカナダ社会の姿勢が感じられました。また、中華系・南アジア系のコミュニティや、LGBTQ+の移民・難民を支援する団体なども数多く参加しており、バンクーバーの多様な人口構成そのものを映し出すようなパレードだと感じました。



参加しやすい環境整備への工夫
東京のプライドと比較して印象的だったのは、パレード参加団体・主催者側の双方で、インターセクショナリティの視点が明確に打ち出されていたことです。参加団体の中には、LGBTQ+と障害をテーマにしたグループもありました。
会場のアクセシビリティにもさまざまな工夫がありました。視覚障害のある方に向けてパレードの様子を音声で伝える「VocalEye」、感覚過敏のある方が静かに休める「Low Sensory Room」、高齢者向けの日陰・休憩エリア「Seniors Shade Area」など、さまざまな属性や心身の状態にある人が参加しやすい環境が整えられていました。
Tokyo Prideでも、ステージ企画での手話通訳やキッズスペースの設置などに取り組んでいますが、より多様な人が安心して参加できるイベントにしていくためのヒントを多く得ることができました。

一つではない「Pride」のあり方
今回参加したVancouver Prideは、スポンサーの選定基準やイベントの商業化をめぐり、コミュニティの一部から批判を受けている側面もあります。
一方で、DEIを取り巻く環境が変化し、主催団体の資金調達が厳しくなる中、バンクーバー市議会から一時的な助成金を受けるなど、市にとって重要なイベントとして位置づけられていることも感じられました。
また、同時期にはトランスマーチやダイクマーチといった、より草の根的な運営を重視するイベントも開催されています。
一つの大規模なプライドイベントだけですべてを担うのではなく、異なる目的や価値観を持つさまざまな活動が存在し、参加する側にも選択肢がある。そうした形でプライドが長く、幅広く続いていること自体にも大きな意義を感じました。
バンクーバーでの学びを、東京へ
今回のバンクーバープライドへの参加を通して、インターセクショナリティの視点やアクセシビリティへのさらなる工夫など、「より多くの人にとって参加しやすいイベントとは何か」を考える多くのヒントを得ることができました。
プライドに集う人々の背景は、一人ひとり異なります。LGBTQ+という共通点だけでなく、年齢、障害、人種や民族、文化的背景など、さまざまなアイデンティティや状況を持つ人々が安心して参加できる環境をどのようにつくっていくのか。
今回得た視点を、今後の東京レインボープライドの企画設計や運営にも活かしていきたいと思います。
開催地:カナダ、バンクーバー
実施日:2026年8月2日
執筆者:教育啓発事業 森さえこ