LGBTQ+とは
男性・女性という分類だけでなく、人の性のあり方にはさまざまな形があります。
LGBTQ+とは
LGBTQ+とは Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、出生時に法的・社会的に割り当てられた性別や、その性別に期待されるあり方とは異なる性別で生きている人・生きたい人、Queer(クィア、規範的な性のあり方以外のセクシュアリティ。もともとは「奇妙な」という意味合いで、差別的・侮蔑的文脈で使われていた言葉を、当事者自身が逆手にとって使うようになった言葉)やQuestioning(クエスチョニング、自らの性のあり方について特定の枠に属さない人、わからない人、決めたくない人。典型的な男性・女性ではないと感じる人)の頭文字をとった言葉で、セクシュアルマイノリティ(性的少数者・性的マイノリティ)を表す総称のひとつです。ここに「+」を付けることで、「L・G・B・T・Q」に当てはまらない多様な性を表現しています。 日本におけるLGBTQ+の割合 調査機関・調査方法によってデータにバラつきがありますが、現在では約3%~10%と言われています。
大阪市で行われた2019年の調査ではLGBTが3.3%、決めたくない・決めていない等の回答を合わせると8.2%、電通ダイバーシティ・ラボの2023年の調べでは約9.7%、LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2019」では約10.0%、名古屋市総務局総合調整部男女平等参画推進室の調査では1.6%トランスジェンダーは、生まれた時に性別を「男性」と割り当てられ、性自認が「女性」の人を「トランスジェンダー女性(トランス女性/Trans woman)」、出生時に性別を「女性」と割り当てられ、性自認が「男性」の人を「トランスジェンダー男性(トランス男性/Trans man)」と表現することもあります。
性はグラデーション
性のあり方はLGBTQ+とそれ以外の人で
くっきり分かれているのではなく、グラデーションになっています。
単純に「男性/女性」だけではなく、
分解して考えてみるといくつかの要素に分けて考えることができます。
例えば、以下の4つの要素に分けて考えてみましょう。
- 法律上の性別
- 生まれた時に性器の形などから、お医者さん等に「女の子ですね」「男の子ですね」と言われ、役所に届け出ることで法律上「女性」か「男性」に割り当てられる性別のことです。
- 性自認・性同一性(Gender Identity)
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自分の性別をどのように認識しているか、という要素。
男性だと認識している人、女性だと認識している人、中性だという人、男性でも女性でもない人、決めたくないという人など、さまざまです。 - 性的指向(Sexual Orientation)
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自分の恋愛や性愛の感情が、どの性別に向くか/向かないか、という要素。
異性を好きになる、同性を好きになる、どちらの性も好きになる、性別で好きになる人を決めたくない、特定の誰かを好きにならないなど、さまざまです。 - 性表現(Gender Expression)
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社会的にどのように性別を表現するか、振る舞うかを表す要素。
俺・僕・私といった一人称や、服装でスカートがいい、パンツスタイルが合うなど、さまざまです。
LGBTQだけではくくれない
多様なジェンダー&セクシュアリティ
性のあり方は「L・G・B・T・Q」だけでなく、例えば、以下にあげられるように、多様な人々がいます。
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ノンバイナリー
(Non-binary) - 自身の性自認・性表現に「男」「女」といった枠組みを当てはめない人々のこと。
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Xジェンダー
(X-gender) - 自身の性を男女いずれかに限定しない人々のこと。
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アロマンティック
(Aromantic) - 他者に恋愛的に興味関心を抱かない人々のこと。「A(エィ)ロマンティック」とも。
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アセクシュアル
(Asexual) - 他者に性的に興味関心を抱かない人々のこと。「A(エィ)セクシュアル」とも。
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パンセクシュアル
(Pansexual) - 性的指向が対象となる性別にとらわれない人々のこと。
「性のあり方」の構成要素である、性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)、性表現(Gender Expression)、身体の性的特徴(Sex Characteristics)の4つの要素の頭文字をそれぞれ組み合わせた言葉で、
少数・多数に関係なく、誰もがそれぞれのセクシュアリティを持っているという考え方に基づく概念です。
性のあり方を表現するものではありませんが、大事な言葉としてアライ(Ally)があります。
「Ally」は「盟友、味方、同盟者」といった意味で、LGBTQ+の理解者として共に行動を起こす人々のことです。
最後に大切なことを2つ。
他人の「性のあり方」(性別・ジェンダー・セクシュアリティ)を勝手に決めつけないこと。
本人の同意なしに、その人の「性のあり方」を第三者に暴露(アウティング)しないこと。
ここまで、「LGBTQ+」に関する基本的な用語を説明してきましたが、これらはほんの一例で、
性のあり方を表す言葉はまだまだたくさんあります。
また、言葉の定義も一様でなく、刻々と変化していくものです。
関連するWebページや書籍などにも触れ、さまざまなイベントにも参加して、
多種多様な性のあり方を知り、性の豊かさを感じてみてください。
参考:電通ダイバーシティ・ラボ「LGBTQ+調査2023」、LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2019」2019年、名古屋市総務局総合調整部男女平等参画推進室「性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)など性別にかかわる市民意識調」2018年、「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(協力:大阪市)「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」2019年