<11/18放送>ゲスト:ミヤタ廉(LGBTQ+インクルーシブディレクター)/ 鈴木涼美(作家)
interfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。
11/18(土)のゲストは、映画「エゴイスト」の製作に参加したLGBTQ+インクルーシブディレクターミヤタ廉 さん、後半は、「東大卒」「元AV女優」「元日経新聞記者」と異色のキャリアを持つ作家鈴木涼美 さんです。
レインボートピックス
世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。
映画「エゴイスト」の製作に参加したLGBTQ+インクルーシブディレクターのミヤタ廉さんが、初めての方にもわかりやすいLGBTQ+に関連する映画作品を紹介していただきました。
〈紹介作品〉
① セルロイド・クローゼット
1995年の映画。ハリウッド映画史において、LGBTがどのように描かれてきたのかを映画関係者へのインタビューを通して検証していくドキュメンタリー作品。作中で、合計200作品以上の作品が取り上げられている。
② ミルク
2008年公開。同性愛が市民権を得ていなかった時代に、自ら行動を起こしマイノリティのために戦った実在の政治家、ハーヴェイ・ミルクの自伝的作品。ゲイ当事者の監督や脚本家によって作られた作品。
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、「男性学」を研究されている社会学者の田中俊之さんをお迎えし、「男性学」の代表的なテーマ「働きすぎ」「結婚難」「平日昼間問題」などについて伺いました。この記事では、男性の自覚していない生きづらさについてのお話を抜粋しました。
THINK ABOUT THE FUTURE
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、「東大卒」「元AV女優」「元日経新聞記者」と異色のキャリアを持つ作家、鈴木涼美さんです。
小説最新作『浮き身』についてと、昨今のフェミニズムについてお話を伺いました。
この記事では、小説『浮き身』について話していく仲で、寄る辺ない若者の居場所についてのお話を抜粋しました。
ブルボンヌ: 日本全国の若者達がその住んでる近くの盛り場に何かを求めていく現象があって。
涼美さん: そうですね、私が女子高生の頃、今、東横キッズって言われてる子達は、私の時代はコマ劇前って言ったりしたんだけど、コマ劇前って結構人がうろうろしてるって言うか、家出少女とかはいた。私自身は、センター街にたまる文化があったときに女子高生だったから、女子高生の時は、毎日センター街になんとなく出てましたよね。
涼美さん: 今、おばさんになると、割と夜遊びしてても、そろそろ帰りたいなとか思ったり、家がすごく居心地良いじゃないですか。だけど基本的に、東横にいるくらいの子どもって、多分、実家にいる子とかが多い。
ブルボンヌ: なんか、インタビューの記事とかをみると、みんな家庭は、かなり荒んでたり、大変だからここに流れてきたって話多いよね。
涼美さん: そうですね、だから別に、居心地がよくない人はどっかいるところが欲しいし、高級スパとかホテルとかにいけるような年齢じゃないしね、ネットカフェだってそれなりにお金かかりますからね。
ブルボンヌ: ほんとだね。
涼美さん: お金なくて溜まれる場所っていうのは、若者には結構必要で、多分ね、東横キッズとかドン横とかね、最近言われるのは、減ってるからだと思います。
ブルボンヌ: むしろ目立ってるんだ。
涼美さん :そう、渋谷なんかも、ものすごく再開発が進んで、どんなに栄えてるところでも、街の緩みみたいな汚い場所って残ってたけど、やっぱりすごく少なくなったと思いますね。
ブルボンヌ :そうね、歌舞伎町もゴジラとか入っては来てるけども、なんかまだ街の猥雑さがそれを引き寄せるんだろうね。
涼美さん :そう、歌舞伎町ってすごい強力で。だって、ある意味、日本で一番規制が厳しいんですよ、キャバクラの営業時間とかって。なのに、日本を代表する歓楽街の座を降りないし、いまだにやっぱ変な人ってたくさんいるし、変な子もたくさんいるし。それこそ、コマ劇がなくなって、映画館とかなくなって、すごい新しいゲームセンターとか、最近東急タワーもできたけど、東宝のビルができてって、どんどん新しくなっても、歌舞伎町の持ってる負のものも含めたパワー見たいのが衰えないんですよ。(笑)いまだにたむろしても罪悪感がないんですよ。
ブルボンヌ :でも、なんか、今言われてなるほどなって思ったのが、たしかに、その昔は歌舞伎町全体がそんなのりだったのに、浄化された結果、浮いて見えるんだろうね、その寄る辺ない、「あの子達家出?」みたいに思える集団がね。
涼美さん :そう。
ブルボンヌ :それで言うと、なんかたまに言われる町を浄化するみたいなのってね、まあ、道が綺麗になるとかは言い面もあるんだけど、もしかしたらね、人間味みたいなのが、街、文化から失われる悲しみもセットなのかね。
涼美さん :そう、ですね。だからやっぱり最近渋谷とか歩いてると、女の子はまだ、お買い物するとか、ちょっとおしゃべりするとか、外に出てるのを見るけど、昔若い男の子結構センター街にたまってたけど、少なくなったなと思って。別に家とか学校の居場所が良い子は良いんだけど、そういう子は今自宅の部屋とかに引きこまらないで、外に出るとしたら、行く場所あるのかなってちょっと気になったりはしますね。まあそういう、東横とかに行ってるのかもしれない。
ブルボンヌ :そうね、居場所のない子達を受け入れてくれるものって意味で言うと、新宿2丁目とかのいわゆるゲイを中心とした、どうしてもお酒とかお金が絡むから、LGBTQの中のG、ゲイが主にお店とかを動かしてきた街ではあるんだけど、そこも通じるものがあって。まあお酒だし、夜だし、悪い目で見る人もいるんだけど、まあ、ここに来て、ようやく自分の本当の姿を出せたみたいなのは近いものがあるし。
涼美さん :まさにそうなんじゃないですか。
ブルボンヌ :なんか、ね。受け皿という意味で、何でもクリーンにしちゃえばいいっていう訳じゃないって場所ではあるよね。
涼美さん :ちゃんとした大人がいっぱいいるとこだと、若者がたむろしてると、まあ、注意されるとかだったらまだ良いけど、なんて言うんだろう、腫れ物みたいに扱い異物扱いされたりするけど、歌舞伎町は若者よりダメな大人が一杯いるから。(笑)多分、劣等感を持たなくて良いんだと思う。
ブルボンヌ :あー、そういう良さもあるのか。なるほどね。
涼美さん :あの、歌舞伎町は、すごい、最近ね、ポジティブな言説があるけど、「すごい多様性の街」みたいな。その、多様性も別に、多様性の街作りたくて作ったんじゃなくて、結果的に多様性を認めないと生きていけなかったから認めたっていう感じの、ただ隣の人が理解出来なくても、問い詰めたり強制したり、辞めなよそんなのとかっていわれない気楽さはあるんですよね。多分若者はそれが、欲しいんだと思いますね。
ブルボンヌ :ね、なんか、小説『浮き身』にも描かれているような、若者達がね歓楽とか夜の街の世界で、寄る辺なく集まるのも、まあたしなめる大人もいるかもしれないけど、そこにもちゃんと意味とかドラマがあるんだよというところで、小説『浮き身』も読んでみて下さいね。
いかがだったでしょうか。
今週のFind Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDEでは、ミヤタ廉さんから映画を紹介していただき、鈴木涼美さんからは小説最新作『浮き身』についてと昨今のフェミニズムについてお話をしていただきました。
今回のお話を聴いて、世の中で生きづらさを感じる人たちやその背景で築かれた文化には、本当に多種多様な歴史があると感じました。時として、見ることも苦しいと感じる歴史もありますが、それを間接的にでも知ることができる映画や小説で表現されるのはとっても素敵なことだなと思います。
クリーンな面にも、クリーンじゃない面にもそれぞれ良さや悲しさがセットになっている。
全てを知ることは難しいけれど、少しでもいろんな目線から物事を考えられるような、人になりたいな思いました。
今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。
また次回もお楽しみに♪