〈2/17放送〉ゲスト:村上寛(編集長)|浅田敦(脚本家、放送作家)
InterfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。
2/17(土)のゲストは、 雑誌『Badi』の元編集長で、現在はLGBTQ+向けのメディアサイト『ニユートーキヨー』の編集長の村上寛さんが「上野浅草のゲイバーマップと健康情報ガイド『ヤローページ』」をご紹介!
そして後半は、脚本家、放送作家の浅田敦さんをお迎えします。
レインボートピックス
世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。
今週は、『ニユートーキヨー』の編集長の村上寛さんが「上野・浅草のゲイバーマップと健康情報ガイド『ヤローページ』」をご紹介いただきました。
〈『ヤローページ』〉
コミュニティセンターaktaが発行する、首都圏のスポットガイドやHIV検査情報などを網羅したフリーペーパー。性感染症や健康問題に関する情報が詳しく記載されている。ヤローページ上野・浅草版では、ゲイバーが48店舗掲載されている。
THINK ABOUT THE FUTURE
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、脚本家、放送作家の浅田敦さんをお迎えし、LGBTQ+に関する作品を脚本家、放送家としてどのように向き合っているのかについてお話ししていただきました。
この記事の中では、ゲイカップルのドラマを書くに至った経緯と、その作品への向き合い方についてのお話を抜粋します。
ゲイカップルのドラマを書くに至った経緯やと、その作品への向き合い方のお話
ブルボンヌ :近年、LGBTをテーマにした作品がたくさん作られるようになりましたが、どのようなきっかけでこのテーマを手掛けようという気持ちが浅田さんの中に生まれたんですか?
浅田さん :そうですね。深夜番組を制作した時のスタッフにゲイの方がいて、その方と一緒にご飯食べに行った時に、その人の生き様みたいなものを聞いて。その中ですごく印象に残ったのが、彼が青春時代に見たテレビドラマに、男女の恋愛のコンテンツはあるけれど、自分が感情移入できる男性同士のドラマとかっていうのはなかったという話でした。。
ブルボンヌ :分かる。
浅田さん :「そういうものを、もし浅田くんが脚本書くんだったらやってよ」って言われて、そのときは「はい。」というふうに言ってるんですけど、それが割と自分の中で事あるごとに思い出してたんです。
ブルボンヌ :それ、どれくらい前の話なんですか?
浅田さん :もう20年以上前ですね。
ブルボンヌ :本当、その方がおっしゃるように、今みたいには全然コンテンツがない時代。
浅田さん :はい。
ブルボンヌ :それがきっかけで、ご自身がこういうテーマをやりましょうと動かしてくださったんですか?
浅田さん :そうですね。6年ぐらい前なんですけど、まだ今ほどゲイのコンテンツもなかったし、BLとかっていうのも今ほど作られてなかったんですよ。やっぱり男性同士の恋愛ものっていうと、言葉悪いんですけども、若干際物みたいな見方をされるというのがあって。
ブルボンヌ :思いっきりコミカルに振るか、逆にものすごく悲しいものみたいに扱われるか、どっちか極端みたいな印象がありますね。
浅田さん :そうそう。その両方ともやりたくないなと。やっぱりやるんだったらちゃんと取材をして、当事者が見たときに、少なくとも自分が否定されていないと思っていただけるような作品にしたいなっていうのはありました。
ブルボンヌ :最初から浅田さんの中で、フレンドリーな気持ちみたいなものがあったんですか?
浅田さん :そうですね。特にゲイの方に対して、自分が何か構えたりする事も無くて。うん。そういう意味合いで言ったら、もう本当、来るもの拒まずっていう感じで。
ブルボンヌ :ちょっと今、あのたぶん誤解も起きるかもしれないけど、要は否定的に感じるタイプではなかったんですね。
浅田さん :そうですね。
ブルボンヌ :嬉しい。それはなんか思い当たる節とかあります?
浅田さん :昔から誰かと知り合いになった時に、その人が何か自分が知らないことを教えてくれるんじゃないかっていうふうに、割とプラス思考で考えることが多くて。
ブルボンヌ :知らない世界を否定的なものじゃなくて、むしろワクワクするものみたいに受け止めてくれる方なんですね。
浅田さん :そうです。
ブルボンヌ :いいわ〜!もうどんどんワクワクしてください。
浅田さん :本当に今日も楽しみにしてきました。
ブルボンヌ :ご自身から企画を出す形で最初に手掛けられたのは、ドラマ版のhisになるんですか?
浅田さん :はい。
ブルボンヌ :浅田さん発信で「ゲイのカップルのドラマを作りましょう」と動かしていったんですか?
浅田さん :そうですね。企画書を書いて、それが通って、資材を始めてって感じです。
ブルボンヌ :じゃあそこからさっき浅田さんがおっしゃった、当事者が傷ついたりしない、優しいものにしようみたいなと、実情をちゃんとリサーチしようという動きになったんですか?
浅田さん :そうですね。セクシャルマイノリティの作品は、マジョリティの人を楽しませたり感動させたり泣かせたりさせる為にあるんじゃないと言われたことがあったんです。それは確かだと思い、そういう風な形で利用するのは良くないなと思ったんです。
ブルボンヌ :昭和の頃にあった作品は、どうしてもストレートの人が楽しむ為の素材としてのストーリー運びが多かったですもんね。
浅野さんは、最初から当事者目線でなるべくものを作っていこうという形を取ってくださったんですか?
浅田さん :はい。取材をして、嘘はつかずに極力本当のことを伝えるということに重きを置きました。もちろん映画だから作り物のところはあるんですけど、だからと言って作り物だからっていうことを言い訳にすることが多くならないようにしようと思いました。
ブルボンヌ :浅田さんの真摯な姿勢が感じられるところで…。
いかがだったでしょうか。
今週のFind Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDEでは、『ニユートーキヨー』の編集長の村上寛さんから「上野浅草のゲイバーマップと健康情報ガイド『ヤローページ』」をご紹介いただき、後半は、脚本家、放送作家の浅田敦さんさんをお迎えし、LGBTQ+を取り扱う作品にどのように向き合っているのかをお話をしていただきました。
今回のお話から、なんとなく観ているドラマや映画にも、受け取り手の気持ちを細かに考えながら作品をつくっている脚本家や放送家がいることを改めて認識させられました。
昨今、ゲイだけでなくアセクシュアルやトランスジェンダーを取り扱った作品を見かける機会が多くなったように感じます。セクシュアルマイノリティが消費されることなく、どんなジェンダーやセクシュアリティの当事者が観ても自然と感情移入することのできる作品が増えていくと良いなと感じました。
今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。
また次回もお楽しみに♪
2月17日のTHINK ABOUT THE FUTUREは、AuDeeにて配信しています。
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