〈2/24放送〉ゲスト:矢島由佳子(ライター)|浅田敦(脚本家、放送作家)
InterfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。
2/24(土)のゲストは、 ライターの矢島由佳子さんが「チェアアップソング」をご紹介!
そして後半は、脚本家、放送作家の浅田敦さんをお迎えします。
レインボートピックス
世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。
今週は、ライターの矢島由佳子さんから「チェアアップソング」を3曲ご紹介いただきました。
1曲目:CHAIの『NEO KAWAII, K?』
以前番組に出演したことのある、CHAI。先日解散を発表し、自分たちが自分たちらしく生きて行くためにチャイというバンド活動を終了すると言うことを選んだ。自分らしさを表現するグループであり、それを体現している曲。
2曲目:ヒグチアイの『大航海』
進撃の巨人のエンディングテーマ『悪魔の子』で話題になった、ヒグチアイ。1月24日にリリースした最新アルバムの一曲目に収録されている、人生を海に例えた曲。
3曲目:LANAの『99』
最近話題の19歳の女性ラッパー、LANA。Awichの「BAD BITCH 美学 Remix」にも参加している。『99』という曲では、自身が99もの問題をこれまでの過去、自分のライフストーリーで変えたということを歌っている。
THINK ABOUT THE FUTURE
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、先週に引き続き、脚本家、放送作家の浅田敦さんをお迎えし、現在放送中のチェイサーゲームを脚本家、放送家として、どのように向き合っているのかについてお話ししていただきました。
この記事の中では、ドラマ『チェイサーゲーム』のトランス男性を配役するに至った経緯についてのお話を抜粋します。
チェイサーゲームのトランス男性配役についてのお話
ブルボンヌ: 先週は、ゲイカップルを主人公にしたhisという作品についての想いも語っていただいたんですけど、現在放送中のあの連続ドラマ『チェイサーゲームW〜パワハラ上司は、私の元カノ』の脚本も担当されているんですよねこちらなんか謳い文句がすごいんですけど(笑)。テレ東初のレズビアン主人公、復讐愛憎劇と、結構情報が多い。
浅田: そうですね(笑)
ブルボンヌ: 復讐して愛憎劇を繰り広げる、そしてレズビアンが主人公なんですね。
浅田: そうですね。
これ、実は、Wがつかない『チェイサーゲーム』っていうドラマがその前にやっていて、トランス男性のキャラクターが出ていたんですよね。
浅田: はい。
ブルボンヌ: で、しかもそのトランス男性役を演じられた若林優馬君は、以前この番組のゲストに出てくれていて。
その時に『チェイサーゲーム』の話も少しされたんですけど、どちらも浅田さんが脚本を担当されていたんですね。
浅田: はい。
ブルボンヌ: トランス男性キャラ、レズビアンキャラを次々といろんな性的少数者キャラクターを表現してくれて、ありがとうございます。
浅田: いえいえ。
ブルボンヌ: まず、トランス男子キャラクターというのはどんな経緯だったんですか?
浅田: 最初の『チェイサーゲーム』は漫画原作があったんですよ。漫画原作をそのままドラマに一応焼き直してっていうような形でつくってるんですけど、オリジナルのキャラクターをどこかに出したいなと思って、性的少数者のキャラクターを出すことになったんです。どこの会社でも、いて当たり前なんだっていう風にしたいなと思っていて、ゲーム業界だからと言っていないわけでもないだろうし、普通に仕事をしてるっていうふうなことで描きたいなと思ったんですよ。
ブルボンヌ: うん。
浅田: ゲイやレズビアンの設定もいろいろ考えたんですけど、トランスジェンダーっていうのはなかなか作品として扱われる事が無いのかなと思い一度ちゃんとそこと向き合ってみたいなって、トランス男性ってキャラクターをオリジナルで作って、若林さんにやっていただきました。
ブルボンヌ: 嬉しい〜。そうなんですよ。トランス男性の俳優さんが活躍できるような役どころって、なかなか作品として生まれてこなかった経過があって、どちらかというとトランス女性、ニューハーフ枠みたいなのも含めて、昭和の時代からかなり偏った形ではあったんですよね。キャラクターとして出てきてはいたんですけどね。トランス男性がトランス男性として出られる枠は本当に少なかったので、浅田さんが原作にないキャラクターをあえて作ってくれたって、すごい嬉しいことだと思います。
浅田: 自分がやりたいなあっていうことに理解を示してくれないと実現しないので、今回『チェイサーゲーム』をやったスタッフの方たちも、そこをちゃんと理解してくださったんです。
ブルボンヌ: 本当ですよね。若林君はまさにトランス男性当事者の役者としてこの役をやってくれましたが、どうでした?
浅田:当初「トランスジェンダーの男性、特にトランス男性の役者さんって少ないですよ」って言われたんですよ。少なくとも当事者の方が演じてくれないと意味がないなと思って、見つからなかったらキャラクターを変えるしかないなと思ったんです。「若林さんっていう素敵な役者さんがいる」って聞いて、当時まだコロナが明けてなかったので、ZOOMでしかお話しすることができなかったんですけど、作品の向き合い方も真摯な方だったんで、この人だったらっていうのがあって、すぐお願いしました。
ブルボンヌ: 素敵ね。日本でも少しずつね、性的少数者の役を。私は絶対当事者が演じなきゃってほどではないんだけど。できたら当事者でちゃんとねぇ。演技ができる子がいるなら、その方がよりリアルだよねっていうのは本当に思うしね。その姿でのびのび、その役を仕事として受けられるっていうのもね。とてもいいことだと思うので、それを浅田さんがちゃんと場を作ってくれて、めっちゃ感謝です。
浅田: いえいえ。
いかがだったでしょうか。
今週のFind Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDEでは、ライターの矢島由佳子さんから「チェアアップソング」をご紹介いただきました。
後半は、脚本家、放送作家の浅田敦さんをお迎えし、現在放送中の『チェイサーゲーム』を脚本家、放送家としてどのように向き合っているのかをお話をしていただきました。
今回のお話から、役者を決める際にどのような人を選ぶかにも、たくさんの時間や労力をかけられている脚本家や放送家がいることを改めて認識させられました。
セクシュアルマイノリティが出演する作品が増えていく昨今、俳優を当事者にするか否かの議論をよく目にするなと思います。
当事者の方が正当に評価され、活躍できる場が増えていくと良いなと感じました。
今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。
また次回もお楽しみに♪
2月24日のTHINK ABOUT THE FUTUREは、AuDeeにて配信しています。
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