<7/20放送>ゲスト:よしひろまさみち (映画ライター) | 野口亜弥(プライドハウス東京共同代表)
InterfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。
7/20(土)のゲストは、映画ライターのよしひろまさみちさんに、Netflixで話題の作品についてお話しいただきます。
後半は、プライドハウス東京共同代表の野口亜弥さんをお迎えします!
レインボートピックス
世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。
映画ライターのよしひろまさみちさんに今話題の恋愛リアリティ番組「ボーイフレンド」についてお話しいただきました。
「ボーイフレンド」
2024年7月から配信がスタートした日本初となる男性同士の恋愛リアリティショー。
「約1ヶ月のあいだ共同生活をすること」「コーヒートラックを皆で運営すること」の2つのみがルールで、恋愛成就だけでなく、一生モノの友情を育むことや、ただ宝物のような一ヶ月を過ごすことも祝福すべきゴールとなっている。スタジオMCには、MEGUMI、ホラン千秋、青山テルマ、ドリアン・ロロブリジーダ、徳井義実の5名。
公式サイト:「ボーイフレンド」
THINK ABOUT THE FUTURE
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、プライドハウス東京共同代表の野口亜弥さんをお迎えして、ご自身のこれまでの活動スポーツ界のジェンダーについてお話いただきます。
スポーツ界とジェンダーの現状について
(この記事では、スポーツ界とジェンダーの現状についてを抜粋します。)
野口亜弥:2011年の時に私アメリカにいて、女子サッカーがW杯で優勝したんですよね、日本が。
ブルボンヌ:いわゆるなでしこジャパンフィーバーの時だ。
野口亜弥:そうです。私はアメリカにいてずっと日本の女子サッカーを見てたんですけど、日本はほぼ放送されていなかったんですよね。こんなにすごい活躍しているのに、なんでみんな関心持たないしないんだろう?W杯の決勝戦にいくチームをもっと注目させればいいのにとか、当たり前に注目してもらいたいなって思いましたね。
ブルボンヌ:優勝までにいったところでメディアとかもすごい飛びついたイメージがあったけど、その前段階でいうと、そういう明確な「これはニュースにしないと」ぐらいの成績を収めない限りは、明らかに扱いに差があるものなの?
野口亜弥:そうですね…、でも日本の女子サッカーは前から強くて。例えば、2008年のアテネ(五輪)のときもベスト8までにいってますし。だからこそ、海外のメディアは日本チームを注目しているんですよね。なんで日本は?って思いますよね。
ブルボンヌ:そっかぁ。それって正直どうしてだと思います?
野口亜弥:そもそも誰が見るんだってと思われているっていうところもあるかもしれないですし、あと、スポーツに関わっている人たちが男性中心の考え方なのかなっていうのもあると思います。2012年ロンドン五輪の時に、女子がエコノミークラスで、男子がビジネスクラスなんですよね。
ブルボンヌ:それ、当時の報道でびっくりしました。それ露骨だよね、差別化が。
野口亜弥:その時のキャプテンの澤さんがメディアで「仕方がない。結果を出すしかない」って言っていて。どうして、2011年のW杯の時に優勝して結果を出しているのに「仕方がない、結果で示すしかない」って言うんだろう、って。その時も海外にいたんで、海外なんてあれは性差別だとバッシングされているのに、日本だけ健気に頑張る女子サッカー選手を取り上げていて、何なんだろうかって思いましたね。たぶん、本人たちの権利意識っていうのも低いのかなと、それは女性だけではなくて。
ブルボンヌ:そうね。それはLGBTQの枠にしても、それまで自分たちもその情報の中にいたから、そこが平等じゃないって気づく気持ちすら、ちょっと削がれちゃっている傾向があるもんね。
野口亜弥:はい。
ブルボンヌ:それでいうと、女性チームにしても、パラリンピックで活躍している選手たちにしても、世界基準で見たら国枝さんほどではなくても十分な活躍っぷりでも、あんまりそこを報道してもらえてない傾向が同じくありますよね。
野口亜弥:そうですね。
ブルボンヌ:プロスポーツだったらチケット売れる・売れないってことろがあるけど、アマチュアレベルでこっちだけを注目しましょうねってっバイアスが既にかかっているってことよね。
野口亜弥:そうだと思います。甲子園だって男子しかないですし、箱根(駅伝)も男性だけですし、高校サッカーもそうで、あそこまでメディアに取り上げられるのって男性だけですし。一回、女子サッカーが取り上げていただいた時期がありましたけど。
ブルボンヌ:お話を聞けば聞くほど、普段そんなに触れてない領域なんだけど、無茶苦茶わかりやすい事例がいっぱいあるんだなと改めて思い知ります。その後でスウェーデンの女子サッカーチームに入ったと。その現場、海外のチームの中にいる時はいろんな差を感じて楽しくやれた感じなんですか ?
野口亜弥:楽しかったか楽しくなかったというと、必死だったので厳しかったという印象で。
ブルボンヌ:そうだよね。海外でプロをやるって大変だろうね、当然ね。
野口亜弥:やっぱり言語的なこともあって、スウェーデン語を話していて分からなかったりもしたから。気持ちとしては厳しかったですね。でも、そこでもジェンダーに関しては 色々発見があって。そもそも今はWEリーグという日本の女子プロリーグありますけど、その当時はなくて、唯一スウェーデンでプロリーグがあって。スウェーデンはジェンダーギャップ指数でもいつも上位にいる国なんですけど。
ブルボンヌ:そうよね、北欧の国々ってそうですよね。
野口亜弥:はい。一回スポンサー企業さんと選手みんながご飯を食べるっていう交流の機会があって。スポンサー企業さんに”何で女子にあのスポンサードするんですか?”って聞いたんです。
ブルボンヌ:日本だとそういうことがあんまないからこそ。
野口亜弥:はい。そうしたら”女子にはこういう価値があって”とかそんなこと言わずに、” なんでしないの?” って言われて。
ブルボンヌ:そっか。女子はこうだからいいじゃんっていう発想ではなく、そもそも男子と女子に差があること自体”何で?”って向こうは返してくるんだ。
野口亜弥:それはすごく新鮮でしたね。 あともう一つは、選手がすごく自立していて。選手しながら学校に通ってる人も多かったですし、トレーナーの勉強してたりとか。”なぜそんなに次のキャリアに関して関心を高く持ちながらサッカーができるの?” っていう風に聞いたことがあって、そういう現場をあまり日本の選手で当時は見られなかったから。
ブルボンヌ:うんうん。
野口亜弥:そしたら、スウェーデンはジェンダー平等だから女性も一人前に稼ぐことを期待されている、と。なので選手が終わった後にそれなりの収入がないと一人前として認めてもらえない、だから自分たちはそこを考えている。と言っていて。そう考えると日本の女性って収入があってもいいし、なくてもいいっていうその幅でいられる。けれどスウェーデンは”なきゃいけない”っていう危機感があるんだなというのも、またち新しい発見でしたね。
ブルボンヌ:今でこそ7割くらいが共働き世帯と言われているけれど、よく子どもの将来の夢で「お嫁さん」みたいに、働くというよりは専業主婦になるっていう言葉があったりするくらいで。どっちにもなれるって発想と自分もしっかり自立して働くのが当たり前って思ってる発想の差が大きいかもしれないよね。
いかがだったでしょうか。
今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。
また次回もお楽しみに♪
7月20日のTHINK ABOUT THE FUTUREは、AuDeeにて配信しています。
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