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【イベントレポート】「“性”と“生”の多様性」を祝福する祭典「東京レインボープライド2024」を開催

特定非営利活動法人東京レインボープライド(共同代表理事:杉山 文野、山田 なつみ)は、アジア最大級のLGBTQ+関連イベントである「東京レインボープライド2024」を4月20日(土)~4月21日(日)の2日間、代々木公園にて開催しました*。

*4月19日(金)は強風の影響により安全を考慮し中止

プライドパレード参加者:15,000人/梯団数60
プライドフェスティバルのべ動員数:4月20日(土)120,000人/4月21日(日)150,000人
協賛団体数:314

TRP2024「プライドパレード&プライドフェスティバル」レポート動画

<共同代表理事 杉山文野 山田なつみからのメッセージ>

30年前、日本で初めてのプライドパレードが開催されました。その第一歩から今日にいたるまでに変わったこと、変わらないことを振り返り、そして未来に向けたアクションを起こさなければならない、そんな思いのもとTRP2024を開催しました。

当初予定していた4月19日(金)の開催は、強風の発生によりやむを得ず中止いたしました。関係者の皆さまとこの日のために1年間全力で準備をしてきただけに断腸の思いではありましたが、安全な運営を最優先にしての決断となりました。同日に予定していた「プライド30th スペシャルデイ」ステージプログラムに関しては、また日を改めて何かしらの形でお届けできるよう検討してまいります。

今回は初の試みとして、プライドパレードが初めて日本で行われて今年で30周年を記念したPRIDE 30thブースでは、全国のプライド団体と協力し歴史的資料の展示公開を行いました。また、結婚の平等(同性婚)を実現させるために活動している公益社団法人Marriage For All Japan –結婚の自由をすべての人にとのコラボ企画、ファミリーも楽しめる場として新たに「レインボーステージ」を設けるなど、結果として、プライドパレード参加者数、協賛団体数、ステージ登壇者数、延べ来場者数など、東京レインボープライド史上最大規模の開催となりました。さまざまな形でご参加いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。

今回のテーマ「変わるまで、あきらめない。」の通り、私たちはこれからもあきらめずに活動し続けます。LGBTQ+に限らず、多様な誰もが自分らしく暮らせる社会の実現を目指して、一歩ずつ着実に歩んでまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

Happy Pride!

杉山 文野 山田 なつみ

Day1 4月20日(土)

日本初のプライドパレード開催から30年。その記念すべき周年に「東京レインボープライド2024」が開催されました。東京レインボープライド史上最多となる302のブースがけやき並木までずらりと出展。企業・団体などさまざまな人たちの想いが集まり、初日から会場は賑わいを見せていました。

1日目は、過去と現在を振り返るだけでなく、未来へつなげていくコンテンツとして誕生した「レインボーステージ」が登場!お子様やご家族連れも楽しめる、絵本の読み聞かせやねんどの工作体験会などを開催。参加した子どもたちは目をキラキラと輝かせて夢中な様子。ステージゲストも子どもたちとの交流を楽しんでいました。ほかにもレズビアンカップルYouTuber第一人者のエルビアンTVと、FTMのMASAKIによるインフルエンサートークも実施。LGBTQ+として家族になった実体験を通して、悩んだことや、気づいたことなどを赤裸々に話しました。

プライドステージはPride Choir Tokyoの合唱からスタート。晴れた空に美しい歌声が響きました。続いて、Z世代を中心に人気を誇る午前0時のプリンセスと2すとりーとが登場。今年の「変わるまで、あきらめない。」というテーマのもと、東京レインボープライドをともに盛り上げ、次世代へバトンをつなぐ存在として「TRP2024 公式YOUTH PRIDEアンバサダー」に就任しました。午前0時のプリンセスは「いつかステージに立ちたいね、と話していたので夢がかなって嬉しいです。会場にお越しいただいた皆さんには自分が一番格好いい、かわいい、と自信をもって楽しんでほしいです!」と笑顔でコメント。2すとりーとは「ありのままの自分で輝きながら会場をまわってくださいね!」とお客さんに向けてメッセージを送りました。続いて中村 中さん、星屑スキャットさん、ENVii GABRIELLAさん、清水 ミチコさんなど豪華アーティストが次々と登場し、圧巻のライブパフォーマンスを実施。ライブの合間ではSHELLYさんと小島 慶子さんや、阿部 知代さん、東 ちづるさんがトークを展開しました。音楽やトークで届けられるそれぞれの想いを、会場が一体となって共有しました。ステージの最後にはバンドメンバーを引き連れた大黒 摩季さんが登場。大ヒット曲「あなただけ見つめてる」をはじめ全7曲を歌いあげました。名曲「ら・ら・ら」を披露した際には、性別も年齢も関係なく会場に集ったお客さん全員と合唱。東京レインボープライドならではのカラフルな光景が広がりました。最後に大黒摩季さんは「性別じゃなくて人として見てもらえるこの空間からピースな世界が広がってほしいし、私は私を受け入れて愛してくれるみんなを守ります。いろんな人がいる今、「LGBTQ+」は気にしないで生きていきませんか?誰がなんでもいいじゃない。」と話し「IT’S ALL RIGHT」を熱唱。会場の熱気が最高潮に達したなか1日目を終えました。

Day2 4月21日(日)

TRP2024最終日。会場は前日までと比べてさらに盛り上がりを見せています。会場内(代々木公園けやき並木)に登場したレインボーステージはトークショーからスタート。「自分らしいファッション」について與 真司郎さんをゲストに迎えて実施しました。性に揺らいだり、自分らしくありたいと感じたり、LGBTQ+の人を応援したいと思うユース世代に向けて與さんは素直な思いを話してくれました。そのほか、手話夫婦漫才や、「LGBTQ+と仕事」についてのインフルエンサートークも実施し、年代問わずさまざまな人がステージコンテンツを楽しんでいました。

午後からはいよいよプライドパレードがスタート。今年は15,000人・60梯団が行進。日本で初めてのプライドパレードが実施されてから30年。歴史や社会の変遷を振り返りどう未来へ繋げていくか考えながら「変わるまで、あきらめない。」というTRP2024のテーマのもと、渋谷・原宿の街をレインボーに彩りました。

プライドステージでは、YYさん、八方不美人さん、DRAG QUEENSさんが登場。昨年に引き続いて登壇したAISHO NAKAJIMAさんは色気たっぷりなパフォーマンスで観客を魅了しました。プログラムの後半には、昨年亡くなったryuchellさんとドラァグクイーンのオナン・スペルマーメイドさんの追悼も。過去のTRPの出演場面も振り返りながら、改めてお二人が示してくださった「自分らしさ」や「愛」を再確認しました。その後は與 真司郎さんがスピーカーとして登場。「ゲイであることを誰にも言えなかった」という與さん。27歳の時にアメリカで過ごしたことがターニングポイントになったそうです。「アメリカでは性別関係なく愛し合うふたりが誰の目も気にせず普通に手を繋いで、普通にキスをするんです。その時にやっと居場所を見つけたような気がしたんです。」トークの最後では「同性婚が一日でも早く実現できるように、諦めずに頑張っていきましょう。」とエールを送りました。そしてとうとうプライドステージもラストの演目に。登場前から歓声が鳴り響くなか現れたのは真っ白な衣装をまとったちゃんみなさん。「ハレンチ」「美人」など全8曲を披露しました。曲の途中では衣装にレインボーのペイントを塗りたくり会場を沸かす場面も。トークでは「生きづらさを感じることもある現代で、それでも勇気をもって声をあげてくれる皆さんに、心からの尊敬と感謝を送らせていただきます。」とコメント。続いて人気曲「Never Grow Up」では「みんなが幸せになりますように。これからもどうか、私と一緒に愛に生きてください!」と一人ひとりに熱い想いを届けてくれました。興奮冷めやらぬなか、大盛況のうちに東京レインボープライド2024は幕を閉じました。

「東京レインボープライド」は、LGBTQ+をはじめとするセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、前向きに生きていくことができるできる社会の実現を目指し、イベントを通してLGBTQ+当事者並びにその支援者(Ally)と共に、「“性”と“生”の多様性」を祝福し、つながる「場」を提供します。

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