<12/2放送>ゲスト:村上ひろし(LGBTQ+向けメディアサイト「newTOKYO」編集長)/ 田中俊之(「男性学」を研究の社会学者)
InterfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。
12/2(土)のゲストは、LGBTQ+向けメディアサイト「newTOKYO」編集長 村上ひろしさん 、後半は、先週に引き続き「男性学」を研究されている社会学者の田中俊之さんです。
レインボートピックス
世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。
LGBTQ+向けメディアサイト「newTOKYO」編集長、村上ひろしさんをお迎えして、12月1日が世界エイズデーであり、12月15日までが東京都エイズ予防月間ということで、StayHealthy(ステイヘルシー)というサイトから、ゲイのためのコミニケーション術を紹介した動画「LASH_ONLINE_CHANNEL(YouTubeチャンネル)」の『ひげおとひげじのおしゃべりしまshow!』をご紹介していただきました。
〈動画紹介〉
題名『ひげおとひげじのおしゃべりしまshow!』
薬物やメンタルヘルスに特化した相談先の紹介をする人形劇。
男性同性間で性交渉をするMSM(men who have sex with men)男性という設定で、2人のおねえのキャラクターが登場する。
生活の中でありがちなシチュエーションをもとに、自分の意見も言え、尚且つ相手の意見も尊重できる「爽やかアサーション」と呼ばれるコミュニケーションのやり方について教えてくれる動画になっている。
StayHealthyサイト:https://stayhealthy.tokyo/
動画:LASH_ONLINE_CHANNELチャンネル
THINK ABOUT THE FUTURE
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、先週に引き続き「男性学」を研究されている社会学者の田中俊之さんをお迎えし、「日本の男性社会の変化」について伺いました。
この記事では、女性性男性性という言葉が性別に結びついてしまう字面の問題についてのお話しを抜粋しました。
女性性男性性という言葉が性別に結びついてしまう字面の問題
ブルボンヌ :あの、性別の女性男性と、こういうときに語る女性性男性性っていうのが、どうしても、結局性別に紐付いた話のように思えてしまう、字面の問題。これすごいあたしも感じていて、男性性と呼ばれているものを、例えばわざと、離れた感じで、マスキュリンって形で英語にして、女性性をフェミニンにすると、フェミニンさっていうのは、男性が持っている割合は少ないけど、中には持っている人もいる。で、女性も中には、マスキュリンさのほうが強い人もいるっていう、別物の話なんだけど、やっぱり、言葉の中に男性女性って入っちゃうと、また紐付きが強化される面もあるんですよね。
田中さん :はい。
ブルボンヌ :あたしなんかは、多分世の中が思う、フェミニン、女性性と思っているものを、子どもの頃から、たぶんに帯びてたタイプだったから、男女とか言われたけども、今ではそれを、飯の種にさせてもらうくらい自分は転換したんですけど、多分、普通、一般的には、それがずーっと、むしろネガティブなものとして、ご自身の中でも捉えられちゃうっていうね。フェミニンなものを持ってる俺、全然有りっていうのが、若い世代だとちょっと見えてきてるけど。
田中さん :そうですね、うちは子どもが小さいので、逆のことをすごい感じる機会がすごく多くて。
ブルボンヌ :ほんと。
田中さん :例えば、うちの子どもが保育園のときに、男の子なんすけど二人とも。プリキュア見てるって言ったときに、結構いじられて帰ってきて、来週から見ないって。
ブルボンヌ :え~!!?
田中さん :まあ、ようは、プリキュア見てんの、あれは女が見るもんだよって。もうプリキュア見ないって。
ブルボンヌ :その子どものパパが悪いのかな、またパパって紐付けちゃったけど。
田中さん :あはははは。なんか、すごく、なんて言うんすかね、日本社会全体は、この世の、性の多様性を認めようという風潮とは、違う原理で働いているんだなって言うのを子ども見るとまだまだ感じて、すごく、男はこう、女はこうっていうのをちっちゃい子は学習して、それをちっちゃい子同士で牽制し合って、すごい強くて、例えばスーパーマリオブラザーズって、最近ピーチ姫とかも選べるんですけど、僕がピーチ姫とか選ぼうとすると、パパ男じゃん、なんでピーチ選ぶの。
ブルボンヌ :それが、ゲームの楽しさじゃないのね。
田中さん :あはははは。でも、そこを疑っちゃいけないっていうベースで、世界観つくってるなっていうのを、僕はジェンダーの研究者だから、見てると、そこを疑わない、男は、女が好き、女は男が好き、男は産まれたらずっと男、女は産まれたらずーっと女っていうのをベースに、僕は、ジェンダーの研究者だからそんなこと一つも言わないのに、もう、世の中からそういうシャワー浴びて。
ブルボンヌ :ほんとだね、田中さんがせっかくニュートラルな感性で育てようとしても、その子がふれあう外の世界から、結局それが押しつけられちゃうんだね。
田中さん :そうなんすね。だから、子ども番組とか見てても、やっぱりメインは男が仕切ってて、女がアシスタントみたいなのがすごくまだ多くて。
ブルボンヌ :あ~、まだね。
田中さん :こういうの見て欲しくないなとは思うんですけど、でもそこで女の子はわざと算数間違えて、私算数もできないからあはは~みたいな、笑いの取り方とかするんすよ。
ブルボンヌ :え、もう、昭和でそういうのやめてほしいよね。
田中さん :はい。それをただ見てると、あー男は仕切って女はかわいくてあほなふりしてれば良いんだなってシャワー浴びちゃうじゃなですか。
ブルボンヌ :そっか、あの、そういうの与えたかも知れない、こうピーチ姫はすぐに捕まって、マリオの助けを待つばかりみたいなストーリーも、最新の映画とかだとものすごいピーチがリードしてて。
田中さん :そうなんすよ。
ブルボンヌ :作り手はちゃんと、世の中の変化をキャッチして、大分変えてきてるんだけど、以外と一般はその消化がまだ遅いっていうところもあるのかもね。じゃあなんか、こうしていっぱいお話しさせていただいたけど、やっぱりなんか、まだまだ問題が山積みだし、かつなかなか簡単に変わるものじゃないということも、確認しちゃったお話しですけどね。
田中さん :はい。
ブルボンヌ :でも、こうして、言葉に出すことで、仕組みが見えるだろうし、築いた人から、なんか押しつけられてるんじゃなく、自分が楽になったり、自分の大切な誰かが楽になるために、そこを解放してあげられる人が増えてほしいな。
田中さん :そうですね。だから僕は、自分が目の黒いうちはっていうのは、諦めてます。どうバトン繋いでいって、100年くらいかけて、どうするかって考えていかないと。
ブルボンヌ :え~、ちょっと田中さん、そこまで決めちゃった、もう目の黒いうちはしょうがねえって。
田中さん :あはは、いやしょうがなくはないんすけど、どう変えて良いバトンを渡していけるかなっていう、ことで考えてかないと、明日良くなるとかでは。あの、北欧とかももう、何十年かけてやっとあそこなので、どんなバトンを渡せるかなって言うのは思っています。
ブルボンヌ :そうね、こないだニュースで、ジェンダーギャップが一番ない、1位の国ですらまだ、こうやっぱり、男性達の男権社会に対する抗議とかがあるって話で。まあ、ずっと、辞めたらすぐ元に戻ってしまうものなのかもしれないしね。
田中さん :そうですね。
ブルボンヌ :そういう意味では、この番組のパートナーの東京レインボープライドも「変わるまで、続ける」っていうのを最新のプライドのキャッチコピーにしたって言うのは、そういう思いもあるのかも知れないし。ついついね、諦めてしまうこと、疲れてしまうことってあるけど、言えるときには、言い続けなくちゃいけないってことですよね。
田中さん :はい、変わってることはすごくあって。
ブルボンヌ :うんうん、本当にそう思う。
田中さん :90年代の男性学の本読むと、当時、こんな男らしさにとらわれてませんかってチェック項目作ってて、市民講座で伊藤公雄先生配ってたそうなんですけど、外で洗濯物干せるみたいなチェック項目あって。
ブルボンヌ :へ~。
田中さん :30年くらい前だとその程度なんすよね。ようは、恥ずかしい。あいつ、洗濯物干ささせられてんじゃんみたいな。だから、もちろん、変わってはいると思うんですよ、大幅に。
ブルボンヌ :じゃあそのね、少し、明確な変化もちゃんとみれるし、まだまだ残ってるものにも気づきつつ、変化は喜んでいって。
田中さん :はい。
ブルボンヌ :まあね、私たちが、生きてるうちは完全な達成はなかもしれないけど少しでも良いものを。
田中さん :はい、もちろんです。
ブルボンヌ :じゃあ、これから田中さんも引き続き、素敵な言葉を世の中に、お届け下さいね。
田中さん :ありがとうございます。
いかがだったでしょうか。
今週のFind Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDEでは、村上ひろしさんをお迎えして、ゲイのためのコミニケーション術を紹介したYouTubeチャンネル「LASH_ONLINE_CHANNEL」について紹介していただき、田中俊之さんからは「男性学」についてお話をしていただきました。
相手を尊重しつつ自分の意思を伝える「爽やかアサーション」のコミュニケーションや、田中俊之さんの社会学の視点から長期的な目線で「良いバトンをどう渡していけるか」といったお話しを聴いて、自分の思っていることを少しずつでも、伝え続けることが大切なんだと思いました。
ジェンダーに関するトピックスは、時々悲しい取り上げられ方をしていることもあるし、そういうニュースに一喜一憂させられることも多いですが、、。
自分のためにも、同じように思っている人たちのためにも、一緒に声を上げ続ける、伝え続けることが大切なんだろうと思いました!
僕も、無理せず、諦めず、今やっていることを続けていきたいなって思います!
今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。