<6/29放送>ゲスト:木津 毅 (ライター)| 井手上 漠(ジェンダーレス・モデル
InterfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。
6/29(土)のゲストは、ライターの木津毅さんに、おすすめのアーティストについてお話しいただきます。後半は、ジェンダーレス・モデルの井手上漠さんをお迎えします!
レインボートピックス
世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。
ライターの木津毅さんに、おすすめアーティスト2組について紹介していただきました。
〈紹介作品〉
①ガール・イン・レッド(girl in red)
1999年2月16日、ノルウェー生まれのシンガー。
2016年17歳のときにデビューシングル「i wanna be your girlfriend」で、一気に注目を浴びる。女性に向けた歌詞、自身のセクシュアリティをカミングアウトしたこの曲は、5か月間で約5000回のストリーミング再生数となり、Z世代やレズビアン当事者に支持されポップスターとなった。
“Z世代のクィア・アイコン”として活躍の場を広げ、日本では2023年初来日、2024年のフジロックフェスティバルにも出演が決定している。
②マネキン・プッシー (Mannequin Pussy)
2010年にマリサ・ダビース (Marisa Dabice)、アティリア・カーデン (Athena Karpides)、ケイレブ・リード (Kaylen Reed)、およびマクシーン・スティーン (Maxine Steen) の4名で結成されたフィラデルフィア出身のアメリカン・パンク・ロック・バンド。
楽曲は怒りと祝福が共存する力強いメッセージを持っており、アウトサイダーやマイノリティを鼓舞するもの。また、LGBTQ+の権利を強く支持していることで注目されている。Coachellaのようなイベントに参加することについて一部の批判を受けた際には、より広い観客にリーチするために出演を決定したと説明。音楽業界内で女性、有色人種、クィアメンバーの表現と視認性を重視していると表明。
THINK ABOUT THE FUTURE
様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。
今週のゲストは、ジェンダーレス・モデルの井手上漠さんをお迎えして、ご自身と装いのエピソードや立ち上げたブランドのコンセプト、セクシャリティの表現についてお話いただきます。
SOGI(性的指向・性自認)について
(この記事では、SOGI(性的指向・性自認)についてを抜粋します。)
ブルボンヌ:いわゆる性のSOGIなんていわれる「性自認は〇〇」「性的表現は〇〇」って、性にまつわるパラメーターみたいなのがプロフィールに出るんだけど、漠ちゃんは全部まとめて”性別はありません”って表現しているのね 。
それって今日の番組もまさにそうなんだけど、カテゴライズして色々語られている時代の中でその表現を貫いている理由とかモヤモヤを伺いたかったんだよね。
井手上漠: 本当に色々あって。この表現にしている理由が。まずは”枠に当てはめたくない”というのと、もう一つは”別に自分のことを知りたくない”っていうのと。私って多分自分のことを知らないこの今の感情が一番気持ちいいんですよ。
ブルボンヌ:自分の中にミステリアスな部分が残ってることが心地いいみたいな。
井手上漠:そうです。 もちろん勝手に決めつけられたりもします。「こいつは女になりたいだけだ」とか 。でも、それでいいんです。私が正解を出さないからこそ、その人がそういった言葉を投げかけてくるんだと。なんかそれでいいんだろうな っていうか。この人は正解がないからこそみんなが不思議がるけど、でもそういう人間がいるから「私って変わってないんだ」とか 「こういった人がいるから変わってることがおかしくないんだ」とか何か存在だけでも肯定的になれる人がいるのは事実だと思う。なので全て含めて「性別がない」って言ってるという感じなんです。
ブルボンヌ:すごく沁みます。今の世の中の流れ ってこういうことが語れて嬉しいし、それによって分かってくれる人とか、もしくは自分に対するモヤモヤを言葉の定義で救われるっていう話もいっぱい聞いてきたんだけれども、今度は分類することでしんどい人もいたりする。常にグルグル回っていくようなところもあると思う。この時代にあえてこんだけカテゴライズの言葉が生まれてるところを、そこを受け入れない感じってすごくかっこいいしそれがなんか真実な気がする。
井手上漠:本当ですか。
ブルボンヌ:私もそれを説明しちゃったりする側なんですよ、どうしてもお仕事的にも。 ただ自分もよく言ってるのは昔と比べて中間を表す言葉も増えたんだよね。パンセクシュアルもそうだし、ノンバイナリーもそうだし。 定義がはっきりしたところに比べると、「それってどっちなの?」みたいな疑問も同時に浮かんだんだけど、 ”どっちとも取れない”という定義の言葉も生まれて。でも今度は「言葉で定義してるよね 」っていうところがきっとさらに進んだ漠ちゃんのツッコミなんだろうなって思って。
井手上漠:そうなんです。
ブルボンヌ:正直まあまあ専門家の私ですら追いつかないぐらい分類の言葉が増えているんだよね。
井手上漠:そうですね 確かに。
ブルボンヌ:訳がわからないっていう意味で言ったら分けすぎたことで元も子もなくなっちゃってるところもあるのかなって思って。だから性ってそもそも分けられないもんなんだよ ぐらいのざっくりした答えなんだろうね。けれど世の中や人って分けようとしてくるよね。
井手上漠:分けようとしますよ。人間性(さが)的なこともあると思います。
ブルボンヌ:分かつことが分かることだったりもするから。人って理解するために分類したくなっちゃうんだよね 。
井手上漠:他者から見て気持ち悪い存在でいいかもって最近思いました。昔は気持ち悪いって言われたりとか存在否定されることを好きじゃなかったけど。私は生き方がすごいなぞって言われるんですけど、それでいいと思う。
ブルボンヌ:謎っていいわね、気持ち悪いっていうのはトラウマになっちゃってる人も多くてしんどいんだけど、”謎めいた人”って途端にちょっとおしゃれじゃない?美しくミステリアスな存在としてこれからも性というテーマの中でかっこよく自分でいてくれればいいのかな っていうのが本当に伝わりました。
いかがだったでしょうか。
今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。
また次回もお楽しみに♪
6月29日のTHINK ABOUT THE FUTUREは、AuDeeにて配信しています。
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