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Find Your Colors

2024.06.11

〈3/9放送〉ゲスト:竹田ダニエル | 木本奏太

InterfmとTOKYO RAINBOW PRIDEがタッグを組み、ダイバーシティ、多様性のある社会が叫ばれる中で、毎回取り上げる様々なトピックスやゲストの方との会話を通し、まだまだ残る、様々な問題を可視化し、本当の意味での多様性と、愛のある社会を目指していく番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」。

3/9(土)のゲストは、竹田ダニエルさんがグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したトランスジェンダーのR&Bシンガー、ヴィクトリア・モネをご紹介していただき、後半は、先週に引き続き、トランスジェンダー当事者として発信しているYouTuber、映像クリエイターの「奏太いむ。」こと、木本奏太さんをお迎えします!

 

【レインボートピックス】

世界中から集めた最新のニュースから、話題のイベント、映画、音楽、お店など、多様性のある社会に気づける、理解を深められる、参加できる、そんな様々なトピックスを取り上げて、紹介する「RAINBOW TOPICS」。

今週は、竹田ダニエルさんがグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したのR&Bシンガー、ヴィクトリア・モネをご紹介していただきます。
ヴィクトリア・モネは、カリフォルニア出身のシンガーソングライターで、バイセクシュアルの黒人女性。
元々は、ダンスをしており、アーティストを夢見て音楽活動を続けていた。高校卒業後すぐに、シンガーソングライターとして活動を始め、2015年あたりからソロアーティストしても活動を始めた。アリアナ・グランデなど、多くのアーティストに楽曲提供している。
長い間裏舞台で活躍をしていたことや、2歳半娘さんとパートナーとのあり方など、今までの固定概念にとらわれないあり方に注目が集まっている。
ラジオの中では、ヴィクトリア・モネとアリアナ・グランデのコラボ曲『MONOPOLY』を選曲していただきました。

 

【THINK ABOUT THE FUTURE】

様々な価値観を共有し、よりよい社会の方向性を模索していくゲストコーナー、「THINK ABOUT THE FUTURE」。

今週のゲストは、トランスジェンダー当事者として発信しているYouTuber、映像クリエイターの「奏太いむ。」こと、木本奏太さんをお迎えして、「元女子」という言葉を使うのを辞めたお話しや現代でのトランスジェンダーという言葉のあり方についてお話しさせていただきました。
この記事では、トランスジェンダーの中の連続性についてのお話を抜粋します。

〈トランスジェンダーの中の連続性〉

ブルボンヌ :先週から色んなお話しを奏太さんとしてきたんですけど、さっき言ってくれた「元女子を辞めました」っていうのが、割とほんとに響いていて。

奏太さん :嬉しいです。

ブルボンヌ :トランスの方を語るときに、「産まれたときに割り当てられた性別とご自身が感じる性に違和感がある」というような言い方をして。元女子なのか元男子なのかっていうのは、正式には「社会には一旦そう割り当てられてしまいましたよ」て言い方をすることが今は多いよね。

奏太さん:そうですね。その言い方が結構しっくりくるんじゃないかなと思いますね。

ブルボンヌ :そうね、先週奏太くんの中ではもう、2,3歳で自分の中では強烈な、ピンクの物をあてがわれることへの違和感とかがあったって言ってたから、別に当時から奏太くんは女子ではなかったってことだよね。

奏太さん :そうですね。気持ちの部分ではずっと男性だったなっていうのは思うので、そこの部分の気持ちのズレみたいなのはあると思いますね。

ブルボンヌ :社会があてがってきたものに対して、さほど違和感がなかったってタイプの人もたまにいるよね。

奏太さん :そうですね。皆さん違和感を感じる部分は様々で。社会の中での自分に違和感が強い方いるし、自分自身の感じ方に違和感が強い方もいるし。

ブルボンヌ :そうだよね。あと形の問題でいうと、「どうして股間にこんな物が!」って、すごく体の形への違和感を幼児の頃から感じていたトランス女性な人たちの話も聞く。逆にそこは今でもそんなにどっちでもみたいにいうトランス的な人もいるじゃない?

奏太さん :そうですね。やっぱり、体の形って社会からの影響が大きいと思っていて。「男性女性の体こうあるべきだ」と強制されるような感覚になるメディアだったりとか、広告だったりとか、人の言葉だったりとか、そこからイメージされる男性女性の像に、自分が当てはまらないことで、自分は男性女性じゃないって感じてしまうのかなって思いますね。

ブルボンヌ :ほんとに、移行したことをわかってもらうために、「元男子」「元女子」って言うのは、ほんとにその言葉を言わないと伝わりづらい。知識がない方にとっては、トランスジェンダーって言葉がすぐに伝わらないっていうのは、ほんとにそうだなって思うし。分かってもらうときに、わかりやすさを強調するんだけど、強調したことで誤解も生まれてしまうっていうね。

奏太さん :そうなんですよ。そこはほんとに、時代に合わせて変化させていくべきことなのかなって僕自身は感じていて。それこそ去年、トランスジェンダーって言葉かなり目にしたと思うんですね。

ブルボンヌ :そうだよね。

奏太さん :その中で、今生活していく中で、トランスジェンダーって言ったときに、「伝わってるな」っていう感覚が、僕自身実生活であるので、ここはやっぱり変化するタイミングなのかなって感じていますね。

ブルボンヌ :そうだよね。移行の「元男子」「元女子」みたいな言葉によって、どちらかの性別に割り当てられちゃった人でも、違う性別の方向に移行できるんだよっていうことでいうと、男性とトランス男性は、厳密に言えば違うじゃない?そのトランスの部分を強調されちゃうかもしれないことに関しては、どう思う?

奏太さん :そうですね。トランスジェンダーであることは、やっぱり社会的にマイノリティ性があって、生きづらさを感じてしまう部分ではあると思うんですけど、結局体のグラデーションって皆さん全然違うじゃないですか。ほんとにシス男性の方でも。

ブルボンヌ :わかる~。お毛毛がボーボーの人もいれば、なぜかつるつるのアニキみたいな方もいるもんね。

奏太さん :そこのグラデーションって絶対あるのに、トランスだけ切り分けて体が全然違うっていうよりかは、みなさんの体自身にたくさんのグラデーションがあって、一人一人個体差があるんだから、その中の一つじゃないかなっていうふうに、感じることができたら、もっとわかりやすいというか、しっくりくることができるんじゃないかなと思ったりしますね。

ブルボンヌ :そうだよね。ほんとに前提となる、性自認とか、性的嗜好とか色んな知識があった上で、「あ、あなたはこの辺の感覚があって、向きはこんな風に向いてて」って、みんながちゃんとマップがあって語れていれば良いんだけど、今、人が性に対して思ってるマップが、めちゃくちゃ偏ってたり、人によって全然違うから、ちゃんと説明しないとまだわかんない人が多いかなと思うよね。

奏太さん :そうですね、色んなところに行っても良いのに。ダンジョンでいうと、たくさんマップが広がってるのに、二つしかしならなくて。

ブルボンヌ :そうね。やっぱ、男女っていう強烈な二つの項目に、全部を割り当てようとしちゃうから、たまにある「女なんだったら、男が好きなのね。」とか、そういうのも連鎖で思い込みで作られていくっていうのもあるしね。

奏太さん :なので、そこらへんを教育も通してですけれど、皆さんの中に知識として、当たり前のことの認識として広まっていくことが、違和感や「人と違うことはいけないことだ」っていうことをなくしてくきっかけにはなるのかなと思いますね。

ブルボンヌ :うん。奏太くんとかは、人にメッセージを伝えたり、自分の経過も込みで、それを分かってもらう材料にしてもらおうとされてると思うから、産まれたときに、女性側に割り当てられてたってことも大きなポイントになるかと思うんだけど、その移行の部分を強調して語らなきゃいけない部分って、ほんとは分かってもらうっていうのををぬきにすれば、みんなfrom femaleのFTMのfemale to maleじゃない?from femaleの部分は本当は語りたくないことでもあったりするのかな?

奏太さん :そうですね、かなりプライベートの話しにもなってくると思うので、どこまで自分がやりたいかとか、どこまで進んでるのかってことはやっぱり、共有したくはない話しなのかなって僕は感じているんですけど。僕は、そこを共有する上で、皆さんにこういう事実がいま実際に存在していると。僕の場合の話しだけれども、こういうパターンもあるから、ここに困ってる事実があるんですってことを知ってもらうことで、気づきというか、「たしかにそうだな」って。そこから、自分の生活の中に置き換えてもらって、「もしかしたらこういう人がいるかもしれないな」って想定してもらえるだけで、少しずつ変わっていくんじゃないかなって。そのきっかけに、僕はオープンにすることでなれるのならなりたい。

ブルボンヌ :いや~、ありがたい。そうなんだよね。だから、結果そんな説明すらいらないくらいみんなが受け入れてくれる社会であったら良いと思うんだけど、多分過渡期は、こういう段階においては、仕組みとか事情を伝えてくれる、奏太くんみたいな人がいてこそ、ストンって落ちる人もいると思うんだよね。だから、アタシも「元女子」って言葉、誰かを紹介するときに、それに近い言い方はしてきたし、それはアタシも同じなんだよね。その、説明しなくちゃいけない側にいるから。でも、ほんとはそこ強調されたくないのかな…なんてね、ずっともやってはいるのよ。

奏太さん :そうですよね。でもそれでじゃなきゃ、伝わらないっていう現実もありますから。

ブルボンヌ :そうなのよ~。今ね、目の前の奏太くんを見れば、ただのイケメンってだけで、済むんだけどね(笑)。

奏太さん :(笑)。でも、どうしても説明しなきゃいけない瞬間ってくると思うので、なんか、そこは、少し時間を丁寧にかけて変えていけたら良いですけど。今、過渡期は、必要なこともあるなって思っています。

ブルボンヌ :本当だよね。逆に、そこの最先端にいるような奏太くんがどうして、今、元女子って言葉を使わないっていう宣言を、説明しきゃけないのかってとこも含めて、社会が何を分かっていなくて、当事者が、それをわざわざ言わないと伝えられないんだっていう証拠でもあるもんね。

奏太さん :そうですね、まさにその通りだと思います。なのでこれが、10年後とかにこの動画とかみて、こんなこと言わなきゃいけなかったんだねってなってくれれば嬉しいなって思います。

ブルボンヌ :本当だよね。あとは、どこかでポップに言うことを不真面目だって怒りすぎると。多分さ、元女子って言ってるトランスの中には、わかりやすく、茶化すくらいの、自分を落としてもいいやって位の気持ちで言ってくれてる子もいるし、そこをね分かってもらおうって使う元女子には悪意はないだろうしね。その辺の事情も鑑みていきたいわよね。お互いにね。

奏太さん :そうですね。そこはトランスジェンダー同士でもコミュニケーションとれればいいなって部分ではありますね。

ブルボンヌ :あんまり、横のコミュニケーションないの?

奏太さん :僕が、多分もともとあんまりないタイプで。それはトランス男性、トランスジェンダーに限らず、そもそも人付き合いが狭いタイプなので。まあ発信するっていうことには、やっぱり言葉に責任があることにつながってくると思うので、そこらへんは、今これをするとこういう間違った認識があるかもしれないという想定は、皆さんの中にも必要なのかもしれないですよね。

ブルボンヌ :なるほどね。奏太くんのなかでもいろんなトランスという情報を発信している人たちが、それぞれのやり方でね、ナウな情報をどんどんお送りいただければと思います。


いかがだったでしょうか。

今週のFind Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDEでは、竹田ダニエルさんがグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したR&Bシンガー、ヴィクトリア・モネをご紹介いただき、トランスジェンダー当事者として発信しているYouTuber、映像クリエイターの「奏太いむ。」こと、木本奏太さんをお迎えし、「元女子」という言葉を使うのを辞めたお話しや現代でのトランスジェンダーという言葉のあり方についてお話しいただきました。
今回のお話から、言葉ってすごく難しいなって感じました。
一つの言葉でも、辞書的な意味だけじゃなくて、それを聞いた人の経験したこととかによって、意味や重さが変わってしまうことを改めて考えさせられました。マイノリティに関連する言葉が、いろいろなところで使われる今だからこそ、自分の使っている言葉が自分にとってしっくりくるのかや、だれかを傷つけていないかを気にしできる人でになりたいなと思いました。

今回の放送が、皆さんにとって「自分らしく」いられるきっかけになっていると嬉しいです。

また次回もお楽しみに♪

3月9日のTHINK ABOUT THE FUTUREは、AuDeeにて配信しています。

AuDee

【番組概要】
タイトル :Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE
放送日時 :毎週土曜日11:00-11:59
DJ  :ブルボンヌ
番組ハッシュタグ :#TRP897
お便り:trp897@interfm.jp

過去の「THINK ABOUT THE FUTURE」はこちらで視聴できます!

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